その後

当初はこれが終わったら帰るつもりでいたのだが、もうひとつ別にじぶん向けのイベントが残っていた。
旧スタジオドリームメイカーにて「坂崎幸之助のお台場フォーク村」。
ゲストが岡林信康
同じお台場でこんなものが重なるとはなんという偶然だろうか。
さっきのイベントはお目当てが3人合わせて42歳だったのが、今回はひとりで61歳。
こんなの両方見に行きたいと思うのってじぶんしかいなさそうだよな。


このライブだったら坂崎が岡林の昔の曲を歌うことは十分にありうる。
期待に胸を膨らませて会場で当日券購入。
じぶんと同じことを考えている客はほとんど見当たらず、ほぼアル中(って今でもいうのか?)で客は埋まっている。
開演前に「坂崎となぎらが『手紙』を歌う映像」流れていて更に期待感をあおる。
そして坂崎登場。
1曲目「私たちの望むものは」
早くも岡林が封印してる曲がきた。
この曲は意外にカヴァーされることが多いらしく、僕も泉谷しげるが歌うのを94年に生で見たことがある。
かなり忠実に再現してくれた。
高音がきれいに伸びる人が歌ってくれると良いねぇ。
続いてオープニングアクトでピースという十代の兄弟フォークデュオが登場。
歳を疑いたくなるくらい70年代まるだしなフォーク。
こんな若者がNSPのカヴァーとかしちゃうんだから。
数曲歌ったのち再び坂崎の弾き語り。
今度はいったい何をもってきてくれるのか。
「性と文化の革命」
これを誰かが歌うのを生で見る日がくるとは夢にも思わなかったよ。
37年前の曲とはいえ、歌詞が今の時代に全くそぐわない。
続いて、
「おまわさりさんに捧げる唄」
・・・・・・。
僕の涙腺決壊。
この曲別に泣くような曲じゃないんだけどね。
ラジオで初めてこの曲を聴いた87年の2月に気持ちは遡る。
これ聴いたときの衝撃はすごかった。
岡林のファンになるきっかけになった曲だし、僕の音楽の好みを大きく変えた曲。
しかしその後、岡林が昔の曲をほとんど歌わなくなっていてこの曲などは生で聴くのは絶望ということを知った。
まさか他の誰かが歌うこともないだろう。
それを目の前で坂崎が歌ってくれているのだ。
当時の記憶が一気に蘇って涙がとまらなくなった。
ライブでうるっとくることはたまにあるけどここまでのはないなぁ。
「手紙」を歌ったあとついに岡林登場。
エンヤトットスタイルの曲が中心ながらも「君に捧げるラブソング」「山谷ブルース」「流れ者」といった曲も披露。
MCで昔と同じネタを言ってるのにニヤっとしてみたり。
今回は完全にアウェイな客層なのだが、エンヤトットが意外なほど坂崎ファンに受けている。
これも嬉しい誤算だった。
最後に坂崎と岡林ふたりで「自由への長い旅」。
アンコールでは坂崎がソロで「チューリップのアップリケ」を歌ってくれた。
もう素晴らしすぎる。
こんな場を作ってくれた坂崎幸之助氏にはほんとにありがとうと言いたい。
眠っていた岡林熱に火がついたよ。